死にゆく人と共に

在宅の仕事の対象者は当然、高齢者が多いです。
歩行困難が対象ですから、ほぼターミナル・人生末期の方です。

在宅の現場はチーム(医師・看護師・ヘルパー・リハビリ・ケアマネなど)になります。

それぞれが目的を持って介入するわけですが、私達東洋医学者は他にはない(できない)役割があります。

じっくりとその方と向かいあうことができる事です。

多くの高齢者は家族と同居でも相当な孤独感をもっています。死期が近いとそれは恐怖感かもしれません。

去年出来てたことが今年は出来ない。
徐々に出来る範囲が狭くなる。

否が応でも死は近づいてきます。

我々は体を良くして身体機能を改善させても、大きな流れを止めることは当然出来ません(誰にも出来ない)

周りの医・介スタッフや家族は,何とか本人に到達点や希望・目標を設定しそれに向かって頑張ろう・頑張りましょう的な雰囲気の中、実は孤独感を深めていく姿を我々は身近に感じています。

この国の残念な所は「死を否定する」「見ないようにする」「(核家族化で)見ることができない」ので実感を伴わないのかもしれません。
言いかえれば覚悟が出来ない。

昔はもっと死が身近だったので、宗教家が重要な存在だったでしょう。

「死」や「生」とはなんだ?
「治療」ってなんだ?

物事を大きく、俯瞰的にみるためにも東洋思想は大事になってくると思います。

今の高齢者は戦争体験してるので、覚悟や死生観をお持ちの素晴らしい方々が大勢いらっしゃいますが、今の団塊世代が高齢者になる時、どんな現場になっているでしょうか…

ある人の講演の言葉に「死が近い人に接する人は、それ以上に死を自分で意識しないといけない」とありましたが、全くその通りだと思います。

by 五味哲也

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