アルツハイマー型認知症に対する対話・マッサージ・介護者へのマッサージ

症例⑤ アルツハイマー型認知症 80歳代 女性

1:経緯
息子さんと二人暮らし。息子さんが母親の認知症症状により、介護疲れが顕著になる。腰痛や便秘など身体的な症状と同時に、不安などの心理的な症状もあり、ケアマネージャーからの相談により施術を開始する。

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2:施術
施術中はゆっくりと本人の話を聞きながら施術する。時には息子さんと三者で会話をしていくことにより、それぞれの背景にある感情を大切にするようにした。患者さんが何度も同じことを話すのは、不安があることだったり、執着しているものや、これまでの人生で大切にしてきたものだったりする。そこは否定することなく大切に聞いていく。施術を非常に楽しみにしており、時には息子さんの施術をすることでストレスの緩和が見られる。

3:考察
私という「第三者」を通して会話をすることで、息子さん、患者さん本人がそれぞれ大切にしている感情に気がつきやすくなり、徐々に家庭の雰囲気は和らいでくる。私たちは本人の症状のみを見るのではなく、家族との対話を通じて、介護者の介護負担軽減や、感情のやり場として、話をよく聞くようにしている。