灸をする医師

皆さんは鍼灸治療を柱に診療所をしている医師を御存知でしょうか?
雫石にある緑陰診療所の増田進医師です。

現代の医療に警鐘をならし、真の患者の為の医療や医療費の増大を抑制するために行きついたのが鍼灸治療だそうです。

昨日テレビで紹介されていました。

現代医療では病院へ行き検査・投薬で終わる所、患者の訴えを聞きながら実際にそこへ手を当てる。至極もっともな診察をする為にあえて自由診療にしているそうです。

本も出ているそうなので今度読んでみようと思います。
「森の診療所 終の医療」増田進 著 講談社

この方の業績はその前の沢内病院の立て直しから始まっています。

鍼灸治療が脚光を浴びるのは嬉しい事ですが、患者の訴えを聞きそこに手を当て、心を治療するのは私達にとり常識です。

色んな健康雑誌や番組はありますが、なぜ鍼灸治療をみな取り上げないのだろうか?
一部のマニアのみの世界になってやしないか?
マスコミがどんな健康食品や健康方法をとりあげるより鍼灸治療について深く取り上げたほうがとても良いのに…

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雫石町西根の森の中に、ひっそりと立つ診療所「緑蔭(りょくいん)」。元国保沢内病院院長の増田進医師(75)が行う地域医療には、医師から「心」を奪った国の政策に対する疑問がにじむ。

一関市東山町の藤原孝三さん(73)は肩などに痛みを抱え、沢内病院時代から15年以上、増田医師の元へ通う。

「ここは痛い?」「じゃあ、ここかな」。肩や首をつかみ、ゆっくりとポイントを探しながら針を打つ。「先生は自分の手で、いま一番悪い所を探ってくれる。高価な機械で検査されるよりもずっと確かだ」。藤原さんの信頼は絶大だ。

増田医師が行う医療は、健康保険を使わない「自由診療」。医療費は全額患者の自己負担となるが、「保険医療制度の下では、国が決めたマニュアル通りの医療しかできず、患者としっかり向き合えない」と、決断した。

全国の公立病院は現在、国の相次ぐ診療報酬の引き下げなどで、75%以上が赤字。自治体は医療の充実より、「収支均衡」を優先した病院経営を行わざるを得なくなっている。

医師は行政から「稼ぐ医療」を求められ、患者にとって不必要な検査や投薬も、診療報酬を得るためには、致し方ないのが実情だ。

一方、患者も自己負担が安いため、薬や検査の必要性を十分に考えているとは言えない。待ち時間を惜しみ、「診察せず、薬だけほしい」という患者が後を絶たないのは、象徴的な例だ。

増田医師は「国の制度のせいで、医師も患者も医療に対して無責任になった。その状態に慣れていくうちに、患者のためだけに全力を尽くすという、医師の心が失われている」と嘆く。

今後、高齢化が進み、社会保障費が国の財政をさらに圧迫するのは確実。しかし、診療報酬削減や医師数抑制など、これまでの国の政策が各地の医療崩壊を招いたことは言うまでもない。

「マニュアルを捨て、無駄な医療のばらまきをやめることが、本当の医療改革だ。すべての医師が『患者のための医療』を徹底すべきだ。患者は一人一人違い、同じ患者でも状態は日ごとに違う。自分の手で患者の状態を診て、その日の患者のために何が一番良いかを考え、いろいろ試す。毎日研さんの連続だよ」

がんじがらめとも言える国の医療政策に反旗を翻す増田医師。地域医療に生涯をささげる医師の挑戦は続く。

自由診療とは 針治療や自然分娩(ぶんべん)での出産、美容整形など、健康保険が使えない診療。料金は医療機関が自由に決められ、保険が効かないため全額、患者の自己負担となる。1つの病気の治療に保険診療と自由診療を併用する「混合診療」は認められておらず、保険が適用される部分も含めてすべて自由診療扱いとなる。

by 五味哲也