多士済々

この週末は非常に多くの鍼灸師と出会いました。

いただいた名刺を見ても大学名誉教授・広告マン・教員・助産師などなど…鍼灸業界全体を考えている人、マクロな視点、ビジネスの視点、業界に一石を投じたい人など非常に興味深いお話が聞けました。

日曜日はある病院の漢方Dr主催の病鍼連携研究会。
出席者は医療関係者や鍼灸師、音楽関係者。
なぜ、音楽なのか?

なんと診断と治療に音叉を使う先生が講師でした。音叉を使うことで「気」や治療点を可視化して、鍼灸師の頭や感覚の中を医療者や一般の人がのぞくことができる。
講師の先生は非常に古典にも見識が深く、鍼灸師ではない音楽関係の人がその効果を体感されたことで、非常に説得力のある講義でした。

その後のディスカッションに古代音楽の音階は5つであったとか、(5という数字は東洋医学では重視されています)
音階12階が経脈12本と関係があると古典に記載されてるとか…
古典と原始音楽や宗教音楽のリズムや音階が関係が深いとか、日本の鍼法のひとつの打鍼法もリズムが和太鼓のリズムで叩くとか、治療目的に応じてたたき方を変えるとか…

古代の人は言葉ではなく「音」とか「リズム」で体感したものを言語化したのだろうか…
かつての歌垣とか俳句や詩吟とかの関係はどうなんだろうか、とか。
波長とか共鳴って人の原始感覚なのか、とか。
確かに言葉が未発達な時代の人類は音とか韻とかリズムでコミュニケーションをしていた可能性はあるな。
そういえば人類学者の講義で南米にそういう部族がまだいるとか聞いたことあったかな。
アフリカでも太鼓でコミュニケーションしてたんだっけかな。
それにしても、まさか音楽関係者と鍼灸師でこんなに話が盛り上がるとは…
他の医療者たちはどんな思いでこのやり取りを聞いていたのかな。

初めての内容で、古典の奥深さ、古代の人間の奥深さに改めて鍼灸治療の魅力を感じました。

いや、それ以上に鍼灸師そのものが魅力的なんですね。
好きなことを突き詰めてやってる人は素晴らしいし、自信やプライドを感じました。

もっと一般の人にもこの世界を知ってもらいたいなあ…
「みんなのはりきゅう院」というサイトを通じて、鍼灸師とか古典の魅力を伝えたい。
こんなに沢山バックボーンの違う鍼灸師が一堂に紹介できるサイトがあれば・・・・
頑張ろう。

そして、古典の勉強もやらなきゃなあ…

by 五味哲也