「森の診療所の終の医療」を読んで

増田 進という医師がいます。
陸の孤島の様な岩手県の沢内村で、医療・介護・保健活動を行い医療費の伸びを抑制しつつ、村民の健康を守った人です。
その後、現場を知らない中央の方針と矛盾を起こします。

現代の医療への提言も痛烈です。今の医師は患者の方を向いていない。治ることより病名をつけ、その後の診療報酬に目が向きすぎている。大学病院など権威主義優先で地域や患者の方には関心が薄い。

そして、保険診療に縛られたくない為、自由診療で現在は雫石に「緑陰診療所」を開業し、なんとそこでは鍼灸治療をメインにしている。

現代ではエビデンスが求められるが、西洋医学の治療だって治る場合とそうでない場合があり、それにくらべて鍼灸も治る治らないはあるが身体への副作用が少ない、事を理由にしている。

協力隊員が良く地域へ入って行く時、色んな苦労や抵抗がありますが、そんな苦労も偲ばれる本です。

by 五味哲也

(旧)日々雑感

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