毎日新聞に松田博公先生が載ってます。
最近鍼灸に関する記事が続きます。
松田氏は、中国が覇権的に中医学を世界に広める動きに対し、日本鍼灸界は団結して日本鍼灸を確立し、治療技術の多様性を訴えております。
しかし、世界の鍼灸治療の積極的な動きに対して、マスコミも役人も関心無し…
以下、記事です。
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「はりともぐさだけで体調を整え、病気の予防効果は高い。医療費を圧縮する『未来医学』として世界各国が注目している。米国政府は代替医療のため毎年約300億円を研究機関に配っており、多くを鍼灸(しんきゅう)が占めている。ところが、日本では『絶滅危惧種』です」
国内外の鍼灸治療の現場を訪ね、史料にあたって背景にある思想まで探ってきた。一連の活動をまとめた評論集「日本鍼灸へのまなざし」(ヒューマンワールド刊)で現代医療の補完的役割に甘んじる現状とその可能性を描き、日本伝統鍼灸学会から「創立40周年記念賞」を授与されることが決定。27日授賞式に臨む。
37歳でこう丸にがんが見つかり、手術と放射線治療を受けた。家族や記者仲間の心配をよそに楽観していたという。「衰えていく自分の体の奥に、まだまだ命が輝く感じがあった」。この体験が鍼灸との出会いにつながり、専門学校夜間部で資格を取った。
日本の伝統鍼灸は、発熱や下痢、嘔吐(おうと)などの症状を、毒を体外へ出す大切な働きと考え、病気自体を「新たな自分に生まれ変わる生命の主体的な営み」と肯定する。この自然治癒力こそ「命が輝く感じ」の正体であり、検査・投薬漬けの現代医療が奪っているものだ−−自らの体にはりを打ちながら確信を深めていった。
「思想と技法を体系づけた『日本鍼灸学』を確立すべきです」。熱い期待を寄せる。【井上英介】
【略歴】松田博公(まつだ・ひろきみ)神戸市出身。共同通信記者として教育、女性問題などを担当。05年定年退職。「鍼灸ジャーナリスト」を名乗る。67歳。
by 五味哲也